洋学史学会 11月例会 ミニ・シンポジウム

開催概要

会期
2016年11月13日(日)
開催地
関東 > 東京都
会場
電気通信大学 東3号館(総合研究棟)301教室[アクセス
〒182-8585 東京都調布市調布ヶ丘1-5-1
京王線 調布駅下車 中央口改札 中央口より徒歩10分。
羽田空港・成田空港から調布駅まで直通のリムジンバスも運行しております。(要予約)
メインテーマ
17世紀、シナ海域におけるインテリジェンス
公式サイト
http://yogakushi.jpn.org/201611.html
主催
洋学史学会

17世紀、シナ海域におけるインテリジェンス

 16世紀のシナ海域は、「せめぎあう海」(羽田正『海から見た歴史』)であった。東シナ海は「倭寇的状況」(荒野泰典)にあり、南シナ海は「商業の時代 age of commerce」(Anthony Reid)であった。そこでは、(まだ「民族」という発想はなかったとはいえ)日本人、琉球人、中国人、シャム人、ベトナム人と言ったアジアの人々だけでなく、外来のスペイン人、ポルトガル人などが入り乱れて、新しい世界を形作っていった。17世紀、オランダ人やイギリス人、フランス人の参入によって、その世界はさらに活気を加えていくが、一方、陸の王権(徳川政権、明朝、清朝)による政策により、陸への往来は必ずしも自由であったわけではない。また、ヨーロッパ勢力同士の競争も激しく、本国同士の戦争がシナ海域での敵対行為に反映することもあった。
 したがって、さほどの距離は離れていなくても、海の向こうの情報は、自ら取りに行くことができるとは限らず、往来を許されている第3者に頼るしかない場合もまま見られた。
 日本で一番有名なのは、おそらく徳川政権がオランダ船や唐船から聴取した海外情報、すなわち風説書であろう。しかし、風説書は必ずしも特異なものではなく、上記のように広くシナ海域で多角的に展開したさまざまな情報活動の中に位置づけるべきものと考える。
 本シンポジウムでは、ポルトガル人日本追放後のイエズス会による日本情報収集、中国への入国を許可されていないスペイン人のマニラ総督府による中国情報収集、およびフランス使節来航をめぐる徳川政権とオランダ東インド会社の情報収集について、それぞれ報告を得る。コメントは、南欧語史料の専門家にお願いした。

プログラム 内容

13:30~13:40
趣旨説明:松方冬子

13:40~14:20
阿久根晋
「バタフィアからマカオへ-日本追放後のイエズス会士が日本情報をどのように得ていたか-」

14:20~15:00
清水有子
「スペイン帝国の中国情報収集とその処理過程」

15:00~15:10 休憩

15:10~15:50
松方冬子
「カロンの甥-1660年代アジア海域の情報ネットワーク-」

15:50~16:10
伊川健二(コメント)

16:10~17:00
討論

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