古代文学会2月例会(第674回)
開催概要
- 会期
- 2016年2月6日(土) 14:00~17:00
- 開催地
- 関東 > 東京都
- 会場
- 大東文化会館 K-404[アクセス]
〒175-0083 東京都板橋区徳丸2-4-21
東武東上線 東武練馬駅北口 徒歩5分 - 公式サイト
- http://kodaibungakukai.org/reikai-annai.html
- 主催
- 古代文学会
プログラム 内容
発表者:青柳まや氏
題目:オホヤマツミに関する考察-『古事記』『日本書紀』の比較を通して-
要旨:
本発表は、『古事記』『日本書紀』に登場するオホヤマツミに関する考察である。オホヤマツミは『古事記』では、神生み条・ヤマタノヲロチ退治条・スサノヲの系譜条・天孫降臨条の四つの場面に登場する。
オホヤマツミは山の神で、一般に神話における山の神の代表的存在として捉えられているが、従来の研究では、登場箇所ごとに別個の存在と考えられる場合が多く、神としての全体像が不明瞭であった。これに対し、荻原浅男氏は、『古事記』に登場するオホヤマツミを、固有名詞の同一神とした(「大山津見神と大三島—古事記国生みの「大島」は大三島か—」『古事記年報』第十四号、一九七一年)。『古事記』におけるオホヤマツミは、呼称・用字の異同が無く統一されており、同一神として意識されていたと考えるべきであろう。
本発表では先行研究を踏まえ、『古事記』のオホヤマツミを同一神と捉えた上で、従来、積極的に行なわれてこなかった『日本書紀』登場例との比較を通じ、『古事記』のオホヤマツミの特徴点を明らかにし、オホヤマツミが『古事記』に登場する意味を検討する。その上で、従来、神話における山の神の理解として広く用いられてきた『古事記』のオホヤマツミ像が、『古事記』『日本書紀』で共通するものではないこと、『古事記』のオホヤマツミ像が、極めて独自性が強いことを指摘する。
司会:山田純氏