熊野古道 世界遺産登録10周年記念特別展
熊野古道の世界遺産登録10周年を記念する特別展が、和歌山県立博物館で開催されます。「蟻の熊野参り」とも呼ばれるほどに、全国から多数の参詣者が訪れた聖地、熊野。初公開資料や多数の国宝・重要文化財を含む熊野地域や参詣道沿いの優れた文化財を通じて、熊野信仰の本質と、熊野の魅力の源泉を紹介します。
開催概要
- 会期
- 2014年10月18日(土) ~ 12月7日(日)
- 開催地
- 近畿 > 和歌山県
- 会場
- 和歌山県立博物館[アクセス]
〒640-8137 和歌山市吹上1-4-14 TEL 073-436-8670(代表) - 開館時間
- 9:30~17:00 (入館は16:30まで)
- 休館日
- 月曜日(ただし11/3、11/24は開館、11/4、11/25は休館)
- メインテーマ
- 熊野―聖地への旅―
- 公式サイト
- http://www.hakubutu.wakayama-c.ed.jp/kumano/frameset.htm
- 主催
- 和歌山県立博物館、文化庁
- 協賛・後援等
- 【協力】(公財)和歌山県文化財保護協会・(一社)和歌山県文化財研究会
- 備考
- 入館料:一般 820円・大学生510円
※高校生以下・65歳以上・障害者、和歌山県内に在学中の外国人留学生は無料。
展示案内チラシ[PDF/981KB]
関連イベント
シンポジウム「9・10世紀の熊野と王権―熊野の神像へのまなざしから―」
日時:11月9日(日)13:00~16:30
会場:和歌山県立近代美術館(博物館となり)2階ホール
報告者:伊東史朗(館長)、上島享(京都大学大学院教授)、大河内智之(主査学芸員)
コメンテーター:阿部泰郎(名古屋大学大学院教授)、長谷川賢二(徳島県立博物館人文課長)
コーディネーター:川崎剛志(就実大学教授)
【開催趣旨】
11世紀ごろに本宮・新宮・那智山が統合され成立した熊野三山は、神仏習合の思想のもと阿弥陀・薬師・観音の浄土とみなされ、院政期以降、多数の参詣者が集まる熊野信仰の聖地として中世を通じて憧憬された。しかしこうした中世熊野信仰の枠組み以前の熊野については、神話や説話、縁起によって豊かで魅力的なイメージが醸成されるものの、その実像は史料の制約もあり捉えにくいところがある。
そうした中で熊野速玉大社所蔵の国宝神像4躯は、作風から9世紀後半~10世紀初頭ごろに制作されたと考えられる作例であり、注目される。等身大のこの神像群は、都においてもまれな、雄偉かつ理想的な神の姿を表した大作であり、日本における神像彫刻の最高峰の一つである。神像の造像時期に近い延喜7年(907)には宇多法皇の熊野への行幸があることも踏まえれば(『扶桑略記』)、この神像群には中央地域からの熊野に対するまなざしが投影されているのではないかと思われる。
このシンポジウムでは、熊野速玉大社神像を思考の出発点として、中世熊野信仰成立前夜の熊野を国家あるいは王権との関係の中でいかに位置づけられるか、またそうしたあり方がいかに中世に引き継がれ、あるいは引き継がれなかったのかを、さまざまな研究領域の視点からながめ、熊野の歴史の実像に近づくことを目的としたい。
共催:科学研究費助成事業基盤研究(C)「『大峯縁起』の成立と享受についての研究―修験から修験道、そして教団へ―」(研究代表者 川崎剛志)
博物館講座
時間:各回とも13:30~15:00、会場:和歌山県立博物館学習室
- 10月26日(日)「地域に眠る「災害の記憶」を発掘する」前田正明(主任学芸員)
- 11月3日(月・祝)「世界遺産 熊野参詣道の特徴と変遷」小田誠太郎(副主査)
- 11月22日(土)「熊野地域と参詣道沿いの仏像・神像」大河内智之(主査学芸員)
- 11月29日(土)「きのくにの大般若経-調査の成果と課題-」竹中康彦(学芸課長)
ミュージアムトーク(学芸員による展示解説)
時間:13:30~15:00、入館料必要
10月25日(土)、11月2日(日)、11月30日(日)、12月6日(土)