テーマ展「松川二十五菩薩像の全貌-平泉文化の余光-」
一関市東山町松川に残る二十五菩薩像は平安時代末の作とされ、造形と像様ともに平泉文化を色濃く表現している秀逸な作品といわれており、昭和31年には「木造来迎阿弥陀及菩薩像」として、岩手県指定有形文化財に指定されています。
この仏像群は、本尊阿弥陀如来像を中心に菩薩像や飛天像などで構成され、人々を極楽浄土へ導く「来迎」が具現化されたものです。阿弥陀如来を中心に、菩薩たちは音楽を奏で、お香を焚き、散華を、振りまきながら来迎するといわれ、現在では「仏様のオーケストラ」とも呼ばれています。全国各地に図像としての『来迎図』は数多く残されていますが、立体の仏像として残されている例は極めて貴重です。
さて、松川二十五菩薩像は、砂鉄川が氾濫した際に松川に流れ着いたものと言い伝えられています。現在は多くの部材に分割されており、完全な形の菩薩像は一体もありません。昭和30年頃から幾度となく行われてきた先学の調査でも、「なお、かなりの数が復原可能である」と指摘されてきましたが、実現はしていませんでした。
本展覧会では、先学の指摘に学び、可能な限り、像の接合に努めました。その結果は、まさに当市に残る「平泉文化の余光」と言えるものであると考えられます。
開催概要
- 会期
- 2016年7月2日(土) ~ 8月14日(日)
- 開催地
- 北海道・東北 > 岩手県
- 会場
- 一関市博物館[アクセス]
〒021-0101 岩手県一関市厳美町沖野々215番地1 TEL 0191-29-3180 - 開館時間
- 9:00~17:00(入館は16:30まで)
休館日:毎週月曜日
ただし7月18日(月・祝)は開館、7月19日(火)休館 - 公式サイト
- http://www.kyohaku.go.jp/jp/project/2016_tango.html
- 主催
- 一関市博物館
- 備考
- 入館料:一般300円、高校・大学生200円、中学生以下無料
※7月2日(土)は無料でご覧いただけます。 - ダウンロード
関連イベント
講演会(申込必要・聴講無料・定員100名)
7月2日(土)
13:30~15:00
「阿弥陀浄土への憧憬 -松川二十五菩薩像の空間をイメージする-」
講師:冨島義幸氏(京都大学大学院准教授)
15:10~15:40
「郷土に輝く二十五さま」
講師:佐藤育郎氏(松川二十五菩薩保存会会長)
展示解説会
7月2日(土)15:45~16:30
8月13日(土)10:30~11:15、13:30~14:15