静岡県富士山世界遺産センター・ふじのくに地球環境史ミュージアム合同国際シンポジウム「富士山学を拓く-世界遺産富士山から読み解く人類世の自然と文化-」

静岡県富士山世界遺産センター・ふじのくに地球環境史ミュージアム合同国際シンポジウム「富士山学を拓く-世界遺産富士山から読み解く人類世の自然と文化-」

Cultivating the ‘Fujinology’
Mt.Fuji and Nature/Culture in Anthropocene

 2013年6月22日、富士山は「富士山一信仰の対象と芸術の源泉」としてユネスコ世界文化遺産に登録されました。
 富士山の世界遺産登録と並行して、静岡県は富士山世界遺産センターの整備を進めてきました。富士山世界遺産センター基本構想(2012年3月)には、富士山がもつ顕著な普遍的価値を次世代に継承し永く“守る”ほか、富士山の価値や魅力を楽しく“伝える”、富士山を通じて国内外の人々と広く“交わる”、富士山の自然や歴史・文化等を深く“究める”という4つの柱が活動のコンセプトとされています。とりわけ4つ目の柱は、センターが目標とする“富士山学”の構築と密接に関係します。
 富士山学は、富士山の自然や歴史、文化に関する基礎的・個別的な調査研究にはじまりますが、それに留まりません。それらを綜合・止揚した学際的な研究こそが新しい学問体系としての“富士山学”です。
 富士山学は静岡や日本という地域研究に限られるべきではありませんし、人文科学や自然科学の一方に偏るものでもありません。富士山を軸とした、グローバルな視野からの普遍性を備えた比較研究。さらに文理の枠を越境しながら人間と自然・社会環境の関係性を包括的・総合的に読み解き現在を知り未来への提言とする学際研究。それこそが私たちの拓く富士山学です。
 静岡県富士山世界遺産センター・ふじのくに地球環境史ミュージアム合同の第2回国際シンポジウムでは、昨年度のテーマを継承し、人文科学・自然科学を横断する課題一人類世(Anthropocene)、そしてその成立に強い影響を与えた人類の移動というファクターを踏まえ「移動と人類世ー移住、巡礼、遺産」「東西文化交渉のなかの富士山イメージ」「富士山周辺域の環境、過去・現在・未来」の3部から富士山学構築の可能性を拓いていきます。そのうえで富士山研究・世界遺産研究の分野に多大な貢献をされてきた国内外の研究者による講演、静岡県富士山世界遺産センター研究員による「信仰の対象」「芸術の源泉」に関する最新の調査研究成果報告を行い、富士山学研究の現状をお示しします。

開催概要

会期
2018年3月2日(金) ・ 3月4日(日)
開催地
東海 > 静岡県
会場
3/2(金):富士宮市民文化会館小ホール[アクセス
〒418-0067 静岡県富士宮市宮町14番2号 TEL 0544-23-1237
3/4(日):富士ロゼシアター小ホール[アクセス
〒416-0953 静岡県富士市蓼原町1750番地 TEL 0545-60-2510
公式サイト
https://mtfuji-whc.jp/conference/
主催
静岡県
協賛・後援等
【共催】富士宮市(3月2日)、富士市(3月4日)
備考
参加無料(事前予約優先)
両日同時通訳付き
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プログラム 日程

3月2日(金)専門セッション

富士宮市民文化会館小ホール(開場 9:00 開演 9:30)

  • 9:30~09:45
    日本自然2.0~富士山と人類世
    マーク・ハドソン(静岡県富士山世界遺産センター)

【セッション1】移動と人類世―移住、巡礼、遺産

  • 9:50~10:20
    地球規模の移住と人類世―第二次大戦後の巡礼とツーリズムの拡大
    ジョン・イーデ(イギリス、ローハンプトン大学)
  • 10:20~10:50
    江戸時代参詣記にみる富士登山の習俗
    井上卓哉(富士山かぐや姫ミュージアム)
  • 10:50~11:20
    アルバニアにおけるもつれた移動の状況―人類世再考
    ナターシャ・グレゴリッチ・ボン(スロヴェニア芸術科学アカデミー)
  • 11:20~11:50
    クリュニー修道院をめぐる移動と景観―人類世の線と点
    ウエンディ・アトキンソン (フランス、FRV100)
  • 11:50~12:10
    パネルディスカッション
    チェア&ディスカッサント:ティンカ・デラコルダ・カワシマ(山口大学)

【セッション2】東西文化交渉のなかの富士山イメージ

  • 13:10~13:40
    ヨーロッパ所在資料に記録された富士山-シーボルトとその同時代人たち
    ダン・コック(オランダ、国立ライデン民族学博物館)
  • 13:40~14:10
    来舶清人のみた富士山
    唐 権(中国、華東師範大学)
  • 14:10~14:40
    日本の内なる“中華”に屹立する富士山-「日本型華夷意識」を中心に
    松島仁(静岡県富士山世界遺産センター)
  • 14:40~15:00
    パネルディスカッション
    チェア&ディスカッサント:ロナルド・トビ(アメリカ、イリノイ大学)

【セッション3】富士山周辺域の環境、過去・現在・未来

  • 15:20~15:50
    森林と花粉(仮題)
    ミロスラフ・マコホニエンコ(ポーランド、アダム・ミツキェヴィッチ大学)
  • 15:50~16:20
    三保松原の保全
    菅原大助(ふじのくに地球環境史ミュージアム)
    山田和芳(ふじのくに地球環境史ミュージアム)
  • 16:20~16:50
    富士山における植物群落の分布
    増澤武弘(静岡大学)
  • 16:50~17:20
    静岡の先史時代の人類史
    日下宗一郎(ふじのくに地球環境史ミュージアム)
  • 17:20~17:40
    パネルディスカッション
    チェア&ディスカッサント:菅原大助

3月4日(日)公開シンポジウム

富士ロゼシアター小ホール(開場 9:30 開演 10:00)

10:00~10:05 開会挨拶 遠山敦子(静岡県富士山世界遺産センター館長)
10:05~10:10 主催者挨拶 川勝平太(静岡県知事)
10:10~10:15 来賓挨拶  谷井博美(宗像市長)

問題提起

  • 10:20~10:50
    静岡県富士山世界遺産センターと富士山学の可能性
    松島仁(静岡県富士山世界遺産センター)
    町田宗鳳(ふじのくに地球環境史ミュージアム)

基調講演

  • 11:00~11:45
    富士山国際化の前史-江戸期の言説を中心に-
    ロナルド・トビ(アメリカ、イリノイ大学)
  • 11:45~12:30
    火山がつくった世界遺産・富士山
    小山真人(静岡大学)

特別講演

  • 13:30~14:15
    世界遺産条約―新しいチャレンジ
    ヤツェク・プルフラ(ポーランド、国際文化センター所長・第41回世界遺産委員会クラクフ会議2017 議長)
  • 14:15~15:00
    ガーデン・アイランズ日本-山川(さんせん) 草木(そうもく) 国土(こくど) 悉皆(しっかい) 芸術(げいじゅつ)-
    川勝平太(静岡県知事)

富士山学研究の最前線―世界遺産「富士山 信仰の対象と芸術の源泉」を究める

  • 15:10~15:50
    新しい富士講像の構築
    大高康正(静岡県富士山世界遺産センター)
  • 15:50~16:30
    富士山と“見立て”
    田代一葉(静岡県富士山世界遺産センター)
  • 16:35~16:50
    世界文化遺産「神宿る島」宗像・沖ノ島と関連遺産群
    葦津敬之(宗像大社宮司)

16:50~16:55 閉会挨拶 安田喜憲(ふじのくに地球環境史ミュージアム館長)

事前予約

国際シンポジウム特設サイト」からお願いいたします。

お問い合わせ先

静岡県富士山世界遺産センター
〒418-0067 静岡県富士宮市宮町5-12
TEL 0544-21-3776 FAX 0544-23-6800

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