重要文化財「石山寺校倉聖教」冊子本 平成大修理完成記念展覧会
石山寺は学問の寺として長い歴史を持ち、奈良時代以来の多くの経典が収蔵されています。その中で大きな位置を占めるのが「石山寺一切経」(約4,500点、重要文化財)と「石山寺校倉聖教」(約2,000点、重要文化財)です。「石山寺一切経」は江戸時代の石山寺の学僧尊賢僧正が中心となって整備されて美しい姿を保っていますが、「石山寺校倉聖教」には修理を必要とする経典類が少なからず存しました。その修理事業が企画され、平成13年(2001)より、文化庁・滋賀県・大津市の指導監理のもとに7期にわたって実施され、このたび冊子本全点について完成しました。修理の実務は株式会社坂田墨珠堂が担当しました。
このたびその完成を記念し、その経緯と修理の実態を披露して、文化財はいかに次代に伝えていくべきか、特に困難をともなう典籍の修理の方法とそれによる見事な成果を具体的に知っていただきたく思います。会期中には校倉聖教およびその修理についての関係者によるシンポジウムやギャラリートークなども計画していますので、ぜひご参加くださいますようご案内申し上げます。
大本山石山寺第五十二世座主 鷲尾遍隆
(石山寺ホームページより引用)
開催概要
- 会期
- 2015年7月26日(日) ~ 8月2日(日)
- 開催地
- 近畿 > 滋賀県
- 会場
- 石山寺豊浄殿[アクセス]
〒520-0861 滋賀県大津市石山寺1-1-1 TEL 077-537-0013 - 開館時間
- 10:00~16:00(入館は15:45まで)
- 公式サイト
- http://www.ishiyamadera.or.jp/ishiyamadera/gyouji/azekura/index.html
- 主催
- 大本山石山寺
- 協賛・後援等
- 【共催】滋賀県教育委員会・大津市教育委員会
【協力】株式会社坂田墨珠堂 - 備考
- 入館料:大人200円、中・高校生200円、小学生100円
※別途入山料(600円)が必要です
主な展示内容
(校倉聖教はいずれも重要文化財)
- 淳祐筆「胎蔵私記」(附函第1号)平安時代中期写
- 朗澄筆「金剛三密鈔 第五」(第13函第1号〔3〕)平安時代 治承3年(1179)写
- 朗澄筆「用心草 廿七」(第23函第39号〔12〕)鎌倉時代 建永2年(1207)写
- 「瑜祇経千心私記」(第12函第23号)平安時代 仁平元年(1151)写
- 「三十七尊心要(不空記)」(第12函第31号)平安時代 延久2年(1070)写
- 「蘇悉地猲羅供養法(善无畏訳)」巻上(第14函第14号) 平安時代院政期写
- 「観自在菩薩説普賢陀羅尼経」(第18函第27号)平安時代 久安4年(1148)写
- 「金剛薩埵念誦儀軌(不空訳)」(第18函第30号)平安時代中期写
- 「北斗七星護摩秘要儀軌」(第21函第42号)平安時代 天養元年(1144)写
- 「護摩法略抄」(第21函第49号)平安時代中期写
- 「勧請」(第22函第36号)平安時代 久安元年(1145)写
- 経函(第29函)明暦元年(1655)
- 「釈迦如来坐像図」(図像第22号)平安時代(12世紀)
- 「不動尊像」(図像第25号)平安時代(12世紀)
- 「倶力迦羅三童子像」(図像26号)平安時代(12世紀)
- 谷一ほか筆「石山寺縁起絵巻(文晁本)」第6巻(江戸時代)
ほか(全44点)
◇8日間限りの特別公開です
◇展示期間中、会場にてギャラリートークが行われます。
関連イベント
シンポジウム「石山寺校倉聖教修理をめぐって」
日時:2015年7月31日(金)14:00~16:00
会場:石山寺明王院(定員50名)
参加費:無料(当日の展覧会入館料も無料。別途入山料が必要です。)
トーク:
- 石山寺文化財綜合調査と校倉聖教
月本雅幸(東京大学教授・石山寺文化財綜合調査団) - 石山寺校倉聖教の指定から修理へ
杉江進(大津市教育委員会文化財保護課) - 石山寺校倉聖教の修理について
井上優(滋賀県教育委員会文化財保護課) - 校倉聖教の修理の実際
坂田さとこ(株式会社坂田墨珠堂社長)
司会:奥田勲(聖心女子大学名誉教授・石山寺文化財綜合調査団代表)
※ご参加には事前申し込みが必要です!
お申込み方法については公式サイトにてご確認ください。