開館25周年記念企画展「比叡山-みほとけの山-」

 大津市と京都市をまたぎ、古来より信仰の山として崇められた比叡山に、伝教大師最澄が延暦寺を建立したのは延暦7年(788)のことです。それ以来、平安京を守護する山として多くの崇拝を集め、延暦寺は天台宗の総本山として日本の仏教界の中心を担っていきます。山内には平安仏教の根本道場として、多くの堂舎や山坊が林立し、膨大な数の仏像や仏画が造像、安置されました。さらに広範囲にわたる山麓にも里坊や関連寺院が多く建立され、全体として巨大な霊山を形成しました。

 今回、大津市歴史博物館では、大津が育んだ重要な文化の一つである比叡山の仏教文化について紹介します。広範囲にわたる比叡山の山麓に伝わる仏像や仏画、さらには比叡山の知識の宝庫、叡山文庫の古文書や絵図などを展示することで、その秘められた美しさと歴史を紹介します。

(大津市歴史博物館ホームページより引用)

開催概要

会期
2015年10月10日(土) ~ 11月23日(月)
開催地
近畿 > 滋賀県
会場
大津市歴史博物館 企画展示室A・B[アクセス
〒520-0037 滋賀県大津市御陵町2番2号 TEL 077-521-2100
開館時間
9:00~17:00(展示室への入場は16:30まで)
休館日:10月13・19・26日、11月2・4・9・16日
公式サイト
http://www.rekihaku.otsu.shiga.jp/news/1510.html
主催
大津市、大津市教育委員会、大津市歴史博物館、京都新聞
協賛・後援等
【協力】天台宗・比叡山延暦寺・天台宗祖先徳鑽仰大法会事務局・園城寺・西教寺・湖信会
【後援】NHK大津放送局・BBCびわ湖放送・エフエム滋賀・エフエム京都
備考
観覧料:一般 1,000円(800円)、高校・大学生 500(400円)、小中学生 300円(240円)
※( )内は、前売、15名様以上の団体。および、大津市内在住の65歳以上の方、大津市内在住の障害者の方の割引料金(証明するものをご提示ください)。
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主な展示作品

Ⅰ 比叡山 1. 霊峰、比叡山と祖師

  • 絹本著色天台大師・伝教大師・慈覚大師像-鎌倉~南北朝時代、延暦寺山内寺院蔵)
  • 重文 絹本著色天台大師像-鎌倉時代、比叡山延暦寺蔵
  • 重文 銅造観音菩薩立像-白鳳~奈良時代、眞光寺蔵

Ⅰ 比叡山 2. ヒエのカミ(日吉社)

  • 日吉山王宮曼荼羅図-室町時代、日吉大社蔵-
  • 絹本著色 日吉山王垂迹神曼荼羅図-鎌倉時代、延暦寺山内寺院蔵
  • 木造獅子・狛犬(東本宮)-桃山時代、日吉大社蔵

Ⅱ 比叡山の仏像 1. 延暦寺の仏像・仏画

  • 重文 木造千手観音立像-平安時代、比叡山延暦寺蔵
  • 木造四天王立像-平安時代、比叡山延暦寺蔵
  • 重文 木造不動明王坐像-平安時代、伊崎寺蔵

Ⅱ 比叡山の仏像 2. 延暦寺里坊の仏像・仏画

  • 木造不動明王坐像-平安時代、延暦寺山内寺院蔵
  • 木造不動明王二童子像-平安時代、玉蓮院蔵
  • 木造如意輪観音坐像-鎌倉時代、理性院蔵
  • 木造不動明王立像-平安時代、律院蔵
  • 木造観音菩薩立像-鎌倉~南北朝時代、延暦寺山内寺院蔵
  • 木造鎮宅霊符神像-江戸時代 安永4年(1775)、弘法寺蔵
  • 絹本著色千手観音像-鎌倉時代、延暦寺山内寺院蔵
  • 本著色両界種子曼荼羅図(胎蔵界)-鎌倉時代、滋賀院蔵
  • 絹本著色弁才天像-南北朝時代、延暦寺山内寺院蔵

Ⅲ 比叡山麓、東坂本から横川山麓の仏像-坂本、下阪本、仰木・雄琴・堅田

  • 木造聖観音立像-平安時代、坂本・西教寺蔵
  • 絹本著色不動二童子像-室町時代、坂本・西教寺蔵
  • 絹本著色仏涅槃図-室町時代、坂本・西教寺蔵
  • 木造薬師如来坐像-平安時代、仰木・専念寺蔵
  • 木造虚空蔵菩薩立像-平安時代、仰木・華開寺蔵
  • 木造地蔵菩薩立像-鎌倉時代、仰木・真迎寺蔵
  • 木造菩薩立像-平安時代
  • 木造毘沙門天立像-平安時代、千野・深光寺蔵
  • 木造地蔵菩薩立像-平安時代、今堅田・海蔵寺蔵

Ⅳ 比良山麓の仏像-伊香立、旧志賀町などの比良山周辺の仏像-

  • 木造十一面観音坐像-奈良時代、木戸・西方寺蔵
  • 木造男神坐像-平安時代、和邇中・天皇神社蔵
  • 銅造阿弥陀如来立像-平安時代、八屋戸・個人蔵
  • 木造阿弥陀如来立像-鎌倉時代、南小松・大仙寺蔵
  • 木造地蔵菩薩坐像-南北朝時代、八屋戸・西福寺蔵
  • 絹本著色阿弥陀三尊来迎図-鎌倉時代、伊香立南庄町・光明寺蔵

Ⅴ 長等山麓の仏像-園城寺をはじめとした円珍、寺門派関係の仏像-

  • 木造地蔵菩薩坐像-平安~鎌倉時代、園城寺蔵
  • 県指定文化財 木造聖観音坐像-鎌倉時代、寂光寺蔵
  • 重文 木造不動明王二童子像(金色不動)-平安時代、野洲市・宗泉寺蔵

Ⅵ 比叡山と古文書・典籍・絵図

  • 比叡山再興勧進帳-天正10年(1582)、比叡山延暦寺(叡山文庫・延暦寺)蔵
  • 観音寺詮舜書状-安土桃山時代、比叡山山内寺院蔵
  • 山門大衆奏状案-慶長5年(1600)6月付、比叡山延暦寺(叡山文庫・別当代蔵)
  • 山門巡礼法施記-応永31年(1424)写、比叡山延暦寺(叡山文庫・天海蔵)蔵
  • 九院仏閣抄并十六院-永享8年(1436)写、比叡山延暦寺(叡山文庫・真如蔵)蔵
  • 江州坂本旧事伝聞私記-寛保2年(1742)、比叡山延暦寺(叡山文庫・無動寺)蔵
  • 比叡山全図-江戸時代、比叡山延暦寺(叡山文庫・止観院)蔵

Ⅶ 阿娑縛抄

企画展第2会場:常設展示室1F
展示期間:10月14日(水)~11月23日(月・祝)

  • 阿娑縛抄-室町時代、比叡山延暦寺(叡山文庫・天海蔵本)蔵
  • 箱蓋(阿娑縛抄)-江戸時代、比叡山延暦寺(叡山文庫・天海蔵本)蔵

※会期中展示替えがあります。
※延暦寺の里坊などの関連寺院で、寺院名を非公開にする場合、「延暦寺山内寺院」としています。

出品一覧

関連講座

  • 各講座は事前申込制です。
  • ハガキで大津市歴史博物館までお申し込み下さい。申込の際には、希望する講座名・郵便番号・住所・氏名・電話番号を必ずお書きください。

比叡山の歴史-その特質と教え-

武覚超氏(比叡山求法寺住職、叡山学院教授)
日時:10月17日(土)14:00~15:30

 比叡山は、伝教大師最澄(766~822)によって開かれ、後の鎌倉時代には各宗各派の祖師・高僧を数多く輩出したので、日本仏教の母山と呼ばれています。本講座では、比叡山仏教の基礎を築いた祖師方を紹介した上で、その特質と教えについて論究をすすめていきます。
【申込締切】10月7日(水)【参加料】500円(カード会員250円)

比叡山と近江

木村至宏氏(成安造形大学近江学研究所長)
日時:10月24日(土)14:00~15:30

 日本の宗教文化の聖地比叡山の存在は、日本の歴史文化の構築のうえにおいて、大きな影響を及ぼしてきました。一方、大湖琵琶湖をもつ近江も、比叡山と深い相関関係を有してきました。ここでそのかかわりの諸相について、年代を追って探ってみたいと思います。
【申込締切】10月14日(水)【参加料】500円(カード会員250円)

比叡山麓の古代・中世-結界・里坊-

西口順子氏(相愛大学名誉教授)
日時:10月25日(日)14:00~15:30

 比叡山の山上では僧が修行生活を送り、国家や檀越のための仏事や修法、法会がおこなわれ、山下の結界の外縁には、病気の老僧のための寺庵や僧が老母をみとる尼庵があり、山上の行事や堂塔の修理、僧の生活など運営にかかわる人びとが住んで、聖と俗の交わる聚落がひろがっていました。ここでは古代・中世の比叡山麓東坂本を中心にみていきます。
【申込締切】10月14日(水)【参加料】500円(カード会員250円)

比叡山延暦寺根本中堂の薬師如来像とその模刻

西木政統氏(東京国立博物館アソシエイトフェロー)
日時:10月31日(土)14:00~15:30

 比叡山延暦寺の根本中堂には、最澄がみずから刻んだとされる薬師如来像が伝わります。天台宗の開祖にかかわる尊像として篤い信仰を集め、その模刻も盛んにおこなわれました。どのような姿だったのかを模刻を手がかりに、考えてみたいと思います。
【申込締切】10月21日(水)【参加料】500円(カード会員250円)

横川の元三大師良源とその信仰

加藤賢治氏(成安造形大学近江学研究所研究員)
日時:11月7日(土)14:00~15:30

 元三大師良源は、大火によって荒廃していた延暦寺の復興や、僧侶の規律の粛正などの改革を行ったことから、比叡山中興の祖といわれています。それらの偉業を背景として、豆(魔滅)大師、角大師、鬼大師などの別称とともに、お大師さまと親しみを込めた呼び名で全国に広がる民間信仰が存在します。また、三十三観音の化身、おみくじの創始者など、良源を取り巻く伝承を取りあげるときりがありません。伝承の一部を紹介しながら、元三大師の魅力に迫ります。
【申込締切】10月28日(水)【参加料】500円(カード会員250円)

比叡山の仏画について

宇代貴文氏(比叡山延暦寺国宝殿学芸員)
日時:11月14日(土)14:00~15:30

 最澄の開創以来、比叡山からは円仁・円珍といった高僧や鎌倉仏教の宗祖が輩出され、法華経を中心に密教・禅・浄土教など多彩かつ独自の教義・文化が生み出され、日本仏教の母山、一大聖地として今日まで発展してきました。本講座はバラエティに富んだ比叡山仏教の一端を、仏画などの美術作品を通じて紹介するものです。
【申込締切】11月5日(木)【参加料】500円(カード会員250円)

比叡山と神々

嵯峨井建氏(京都國學院講師)
日時:11月15日(日)14:00~15:30

 仏教の母山と呼ばれた比叡山、最澄はこのお山に入り延暦寺建立の基を打ち立てました。「我が立つ杣に冥加あらせたまえ」と詠い、山修山学―山の仏教を開きましたが、最澄の入山以前、すでにヒエの神の坐す神の山でもありました。こうした前史と、その後の祖師たちが神々とどう向き合い、日吉をはじめ多くの神々を山上山下にまつったかを明らかにしていきます。
【申込締切】11月5日(木)【参加料】500円(カード会員250円)

浄土往生と阿弥陀の造形

三宅久雄氏(元奈良大学教授)
日時:2015年11月21日(土)14:00~15:30

 極楽浄土への往生は、平安時代中期、比叡山横川の恵心僧都源信がその方法を説いたことにより、盛んな信仰を集めました。そして臨終の際、阿弥陀さまに迎えに来てもらうことを切に願うようになります。阿弥陀三尊像の姿形は、そうした人々の心をどのように反映していったかを見ていきます。
【申込締切】11月11日(木)【参加料】500円(カード会員250円)

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