凝然国師没後700年 特別展「鑑真和上と戒律のあゆみ」

鑑真(がんじん 688~763)は、中国・唐時代の高僧で、律の大家として尊敬を集めました。 しかし、日本での戒律の整備を目指していた聖武天皇の意を受けた日本僧・栄叡(ようえい)、普照(ふしょう)より懇請され、その地位をなげうち、五度の日本への渡航失敗と失明をものともせず、天平勝宝5年(753)、6度目にしてようやく日本の地を踏みました。その後、唐招提寺を拠点に、中国正統の律の教えを日本に定着させ、日本仏教の質を飛躍的に高めました。
律とは僧侶のあるべき姿を示し、戒とは僧俗の守るべき倫理基準です。戒律を学ぶことは、僧侶とは何か、仏教とは何かを問い直すことでもあり、日本が社会変動を迎えるたびに、幾多の名僧が戒律に注目し、仏教の革新運動を起こしました。特に、鎌倉時代には、唐招提寺の覚盛(かくじょう 1194~1249)、西大寺の叡尊(えいそん 1201~1290)、泉涌寺の俊芿(しゅんじょう 1166~1227)をはじめ、没後700年を迎える凝然(ぎょうねん 1240~1321)などの英傑が登場し、戒律の精神にもとづき社会福祉事業などを行い広範な支持を集めました。そして、安定社会に見える近世においても、明忍(みょうにん 1576~1610)や慈雲(じうん 1718~1805)などによって重要な律の復興運動が展開されました。
本展では、日本仏教の恩人と言うべき鑑真の遺徳を唐招提寺に伝えられた寺宝によって偲ぶとともに、戒律のおしえが日本でたどった歩みを、綺羅星のような名僧の活躍と関係諸寺院の名宝を綴ることでご紹介します。

開催概要

会期
2021年3月27日(土) ~ 5月16日(日)
開催地
近畿 > 京都府
会場
京都国立博物館 平成知新館[アクセス
〒605-0931 京都府京都市東山区茶屋町527 TEL 075-525-2473
開館時間
9:30~17:30(入館は17:00まで)
休館日
月曜日
※ただし5月3日(月・祝)は開館、5月6日(木)休館
公式サイト
https://www.kyohaku.go.jp/jp/special/korekara/kairitsu_2021.html
主催
京都国立博物館、律宗総本山 唐招提寺、日本経済新聞社、京都新聞、NHK京都放送局
備考
観覧料:一般 1,800円、大学生 1,200円、高校生 700円

展覧会公式サイト https://ganjin2021.jp/

関連イベント

記念講演会

時間:13:30~15:00
会場:平成知新館 講堂
定員:各100名
※適切な間隔を保つため、定員100名(通常の半数)にて実施いたします。着席場所は係員の指示に従ってください。
料金:聴講無料(ただし、講演会当日の本展覧会観覧券が必要)
参加方法:当日9:30より、平成知新館1階グランドロビーにて整理券を配布し、定員になり次第、配布を終了します。

3月27日(土)

「鑑真和上の教え」
講師:西山明彦師(律宗管長、唐招提寺八十八世長老)

4月3日(土)

「律とは何か」
講師:上杉智英(京都国立博物館 研究員)

4月10日(土)

「日本の戒律運動と日本人」
講師:大原嘉豊(京都国立博物館 保存修理指導室長)

4月17日(土)

「俊芿と宋代戒律の日本への影響」
講師:西谷功氏(泉涌寺宝物館「心照殿」学芸員)

5月8日(土)

「鑑真和上とゆかりのみ仏たち」
講師:淺湫毅(京都国立博物館 上席研究員)

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