第7回 寺院資料調査研究報告「備中国分寺の経蔵を拓く ~資料が生まれる場~」

第7回 寺院資料調査研究報告「備中国分寺の経蔵を拓く ~資料が生まれる場~」

 備中国分寺は岡山県総社市に所在し、真言宗御室派に属す。享保年間再建とされる経蔵は岡山県重要文化財に指定されているが、収蔵物は未調査のままである。ここ数年、大阪大学院生を中心に収蔵典籍の調査に取り組んでおり、本研究会はその中間報告である。

本報告会は、オンラインミーティングツールZoomを使用しての視聴が可能です。
→参加方法を確認する

開催概要

会期
2023年3月12日(日) 13:30~17:00
開催地
近畿 > 大阪府
会場
大阪大学 豊中キャンパス 文法経本館2階大会議室[アクセス
〒560-8532 大阪府豊中市待兼山町1-5
メインテーマ
「備中国分寺の経蔵を拓く ~資料が生まれる場~」
公式サイト
https://jarsa.jp/jishiken202303
主催
科学研究費補助金 基盤研究(A)「地方基幹寺院に於ける文献資料調査と経蔵ネットワークの研究」(研究代表者:中山一麿/課題番号:19H00529)
備考
事前申込不要、参加無料、一般聴講歓迎
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プログラム 内容

  • 開催にあたって ー無からの挑戦とその魅力
    中山一麿(大阪大学 招へい研究員)
  • 『先徳略名口訣』諸本の(再)整理
    伊藤智弘(大阪大学大学院 博士後期課程)
  • 備中国分寺蔵西大寺流聖教に対する考察
    川渕紗佳(大阪大学大学院 博士後期課程)
  • 備中国分寺蔵「吽字次第」とその伝来
    飯田実花(大阪大学大学院 博士後期課程)

☑〔発表要旨〕«« ここをクリック!

開催にあたって ー無からの挑戦とその魅力

中山一麿(大阪大学 招へい研究員)

 備中国分寺では飯間妙恵ご住職のご許可の元、本科研のRAとして従事する大阪大学院生を中心に、経蔵内の典籍の目録化を進めている。その作業を通して、院生各々が関心を持った典籍を題材に一から調べた成果を発表する。これは、専門の如何に拘わらず、若手研究者に原本に接する機会を提供し、しかも未だ存在すら不明の段階から、新たに資料を発見するとはどういうものかを体験してもらう試みでもある。

『先徳略名口訣』諸本の(再)整理

伊藤智弘(大阪大学大学院 博士後期課程)

 『先徳略名口訣』は、真言宗僧侶の人名、またはその略称・略表記を挙げ、それぞれが誰か、どのような人物なのか、名前の読みはどうであるのかを注した文献である。本資料は、真言宗の法流伝授において有益なものであったと思われ、様々な寺院に所蔵されている。しかしそれだけに諸本の数も多く、諸本整理を行った先行論には指摘のない特徴を持った本も確認できる。
 本発表では、先行論の成果を踏まえながら、備中国分寺をはじめとする諸寺院、及び各種機関所蔵本の調査を基に、改めて『先徳略名口訣』諸本の整理を行う。

備中国分寺蔵西大寺流聖教に対する考察

川渕紗佳(大阪大学大学院 博士後期課程)

 備中国分寺の経蔵には、数多くの典籍が未整理の状態で収められている。その中には、調査の過程で、西大寺流聖教と認定できるものが複数確認できた。この西大寺流聖教の多くには、「増鉄」と記されている。増鉄は、享保年間に備中国分寺の住職を勤め、備中国分寺を再建した人物でもある。この経蔵も享保年間に再建されたものであり、備中国分寺には再建当初から西大寺流聖教が存在していた可能性が高いと言える。本発表では、増鉄によって、備中国分寺に西大寺流聖教が蔵されるに至った理由を資料に基づいて考察する。

備中国分寺蔵「吽字次第」とその伝来

飯田実花(大阪大学大学院 博士後期課程)

 備中国分寺には、外題下に梵字で「吽」と書かれた一連の西大寺流聖教が七十九冊存在しており、これらは西大寺流の祖である叡尊が著した「吽字次第」と考えられる。当該資料の末尾には叡尊のものと思しい跋文もあり、聖教の伝授に関する叡尊の意向がうかがえる。このように、「吽字次第」は西大寺流聖教のなかで重要な資料の一つと考えられるものの、研究はほとんど行われてこなかった。
 本発表では、「吽字次第」の伝本の状況と備中国分寺蔵本の現存状況を確認したうえで、当該資料にみえる跋文について検討する。さらに、この聖教がどのようにして備中国分寺へ伝来したのかを明らかにしたい。

オンラインでの参加方法のご案内

下記についてご確認いただけますよう、よろしくお願いいたします。

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ご参加にあたっては、ZoomアプリをPCにインストールしてください。※スマートフォンやタブレットでも視聴可能ですが、資料の画面共有などを行いますのでPCでの視聴をお勧めいたします。
ZoomアプリはZoomの公式サイトからダウンロードいただけます。視聴のみであれば、Zoomのアカウント登録は必要ありません。

ご参加にあたっての注意事項

  • ミーティングに参加する際のお名前は、『 氏名(所属)』のように入力してください。
  • 音声はミュートにしてご参加ください。なおホスト側で参加者の音声・ビデオ画面のオン/オフを操作することがあります。予めご了承ください。
  • 質疑応答はZoomの「手を挙げる」機能を使用して行います。司会者から指名された方は、マイクをオンにして発言してください。
  • 参加用URLやミーティングID、パスワード等の他言・転載はご遠慮ください。
  • 本報告会の録音・録画・撮影(スクリーンショットなど)を禁じます。
  • 本報告会の進行に支障が生じた場合は司会者の指示に従ってください。

緊急時の対応について

ミーティングが開催されない、あるいはミーティング中断後に再開されないなどの不測の事態が生じた際には、本ページにその旨を示し、代替ミーティング情報等をできるだけ速やかに掲示いたします。

※お問い合わせ:

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