世界遺産登録記念 特別展「富士山-信仰と芸術-」
古代において、富士山は神の棲まう聖なる地として崇拝され、人々ははるか麓からその姿を拝しました。平安時代になると修行の山としての側面を持ちはじめ、中世以降、富士山への信仰登山は一般にまで広まります。江戸時代には「富士講」が隆盛するようになり、その熱気は、幕府がたびたび禁止令を出すほど盛んなものでした。
壮大で麗しい姿、ときに活火山として火を噴き荒ぶる姿は、人々の胸に深く刻まれ、祈りの心を生み、私たちはそれを連綿と受け継いできたのです。そのような富士のエネルギーは、あまたの創造活動の源ともなってきました。例えば、富士山の図像として広く知られる葛飾北斎《冨嶽三十六景》も、近世の富士山信仰の盛り上がりを抜きに、その成立は考えられません。
本展は、富士山に縁の深い静岡・山梨両県が手を携えて開催するもので、多岐にわたる富士山と文化の関わりのなかでも、特に富士山信仰を核として、その歴史的変遷はもとより、信仰を起点として生み出された芸術作品の数々についてもご紹介します。信仰という視点から捉え直すことにより、作品に託された重層的な意味を明らかにしていきたいと思います。
(静岡県立美術館ホームページより引用)
開催概要
- 会期
- 2015年9月5日(土) ~ 10月12日(月)
- 開催地
- 東海 > 静岡県
- 会場
- 静岡県立美術館[アクセス]
〒422-8002 静岡市駿河区谷田53-2 TEL 054-263-5755 - 開館時間
- 10:00~17:30(展示室への入室は17:00まで)
休館日:9月7日(月)、14日(月)、24日(木)、28日(月)、10月5日(月) - 公式サイト
- http://spmoa.shizuoka.shizuoka.jp/japanese/exhibition/kikaku/2015/03.php
- 主催
- 静岡県立美術館、山梨県立博物館、「富士山―信仰と芸術―」展実行委員会、静岡新聞社、静岡放送、日本経済新聞社
- 協賛・後援等
- 【特別協賛】清水銀行
- 備考
- 観覧料:一般 1,000円(800円)、70歳以上 500円(400円)、大学生以下 無料
※( )内は20名以上の団体および前売料金
※収蔵品展・ロダン館も併せてご覧いただけます。 - ダウンロード
主な出品作品
- 《大日如来坐像》村山浅間神社・冨士山興法寺大日堂 9/8~10/12
- 《役行者椅像》円楽寺
- 《虚空蔵菩薩懸仏》富士山本宮浅間大社
- 《本朝文粋 巻十二》〈富士山記〉久遠寺(重要文化財)9/5~9/23
- 《伊勢物語絵巻》(部分)和泉市久保惣記念美術館(重要文化財)9/29~10/12
- 《遊行上人縁起絵》第二巻(部分)真光寺(重要文化財)
- 《富士三保松原図屏風》より右隻 静岡県立美術館 9/5~9/23
- 元信印《富士参詣曼荼羅図》富士山本宮浅間大社(重要文化財)9/5~10/4
- 葛飾北斎《冨嶽三十六景》より〈凱風快晴〉山梨県立博物館 9/25~10/12
- 《日本図・世界図屏風》より〈日本図〉浄得寺(重要文化財)9/29~10/12
関連イベント
特別講演会
「富士山の参詣曼荼羅を絵解く」
日時:9月26日(土)14:00~15:30
場所:当館 講堂
講師:大高康正氏(静岡県世界遺産センター整備課 准教授)
※申込不要、無料、先着250名
記念講演会
「富士の国から-日本の美と時間のパラドクス」
日時:9月13日(日)14:00~15:30
場所:当館 講堂
講師:恩田侑布子氏(俳人)
※申込不要、無料、先着250名
連続美術講座
- 9月6日(日)
「梅の花びらで作った富士山から曽我兄弟の富士山まで」 - 9月20日(日)
「重要文化財《富士参詣曼荼羅図》(富士山本宮浅間大社蔵)の表現力」 - 9月21日(月・祝)
「《富士三保松原図屏風》(当館蔵・はごろもフーズ[株]寄贈)の魅力」
時間:いずれも13:30~14:30
場所:当館 講座室
講師:泉万里(当館学芸部長)
※申込不要、無料、先着40名
フロアレクチャー
9月12日(土)、10月4日(日)、10月11日(日)
いずれも14:00~ 企画展第1展示室集合
学芸員が展示室にて解説を行います。