特別展「仏像と神像へのまなざし―守り伝える人々のいとなみ―」

特別展「仏像と神像へのまなざし―守り伝える人々のいとなみ―」

 明治元年(1868)に発布された神仏分離令は、全国で仏像や神像の安置場所の変更や、廃仏毀釈と呼ばれる仏教関係資料の破壊や散逸につながる大きな混乱を生じさせました。その後明治21年(1888)の臨時全国宝物取調局による寺社の宝物鑑査、明治30年(1897)の古社寺保存法の施行と国宝指定により、「歴史の証徴」「美術の模範」として保護を行う制度がかたち作られました。近代の訪れは、仏像や神像に、歴史と美術という新たなまなざしをもたらしたのです。

 そうしたまなざしの転換を経て、なお、それでも仏像や神像は、寺院や神社、そして地域住民の尽力によって、信仰の対象として、また心の拠り所として、大切に守り伝えられています。しかし近年、過疎化や高齢化などの要因により寺社の維持が難しくなっている地域が増え、仏像の盗難被害の増加という危機にも直面しており、これからの継承への対策が急務となっています。

 この特別展では人々を惹きつける魅力に満ちあふれた、和歌山の仏像や神像の数々をご紹介します。改正文化財保護法の施行、そして改元という転換期にあたり、守り伝えてきた人々のいとなみに思いを馳せながら、仏像と神像をさらなる未来へと継承していくための、これからのまなざしを考える機会となりましたら幸いです。

開催概要

会期
2019年4月27日(土) ~ 6月2日(日)
開催地
近畿 > 和歌山県
会場
和歌山県立博物館[アクセス
〒640-8137 和歌山市吹上1-4-14 TEL 073-436-8670(代表)
開館時間
9:30~17:00(入館は16:30まで)
休館日
月曜日(ただし4月29日、5月6日は開館、5月7日は休館)
公式サイト
https://www.hakubutu.wakayama-c.ed.jp/butuzou-sinzou/frameset.htm
主催
和歌山県立博物館
備考
入館料:一般 510円、大学生 300円、高校生以下・65歳以上・障害者は無料
※和歌山県内に在学中の外国人留学生は無料。
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関連イベント

講演会

時間:各回とも13:30~15:00
会場:和歌山県立近代美術館2階ホール〔博物館となり〕

  • 5月4日(土・祝)
    「熊野速玉大社の神像とその周辺」
    伊東史朗(館長)
  • 5月11日(土)
    「仏像と神像へのまなざし」
    大河内智之(主任学芸員)
  • 5月25日(土)
    「狙われる仏像-仏像盗難被害の現状と対策-」
    大河内智之(主任学芸員)

ミュージアムトーク

学芸員による展示解説、各回とも13:30から
4月28日(日)、5月19日(土)、6月2日(日)

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